推薦システム実践入門読んだので簡単に所感

書くときは頑張って書く。

以前会社で同僚だったhttps://twitter.com/zr_4から献本してもらった推薦システム実践入門を読んだ。

www.oreilly.co.jp


章立ては以下のようになっている。
1章 推薦システム
2章 推薦システムのプロジェクト
3章 推薦システムのUI/UX
4章 推薦アルゴリズムの概要
5章 推薦アルゴリズムの詳細
6章 実システムへの組み込み
7章 推薦システムの評価
8章 発展的なトピック

推薦システムの書籍だとモデルの部分にフォーカスを置いたものが多い印象だけど、この書籍は4,5章でモデルの話をしている以外ではあまり触れられていない。
むしろ推薦システムをどのような目的で導入するべきなのか、どのようにシステムを作るべきなのか、どのように評価して改善をしていくのか、そういった推薦システムの基本的な部分を広く網羅したものになっている。

そういった意味では、いま推薦システムを作っているエンジニアだけでなく、始めて推薦システムについて知りたい人(エンジニアだけでなく企画職の方でも)が最初に読む本として良さそうに思う。

使われているモデルの理解を深めるのであれば下記の方が良いかもしれない。

www.kyoritsu-pub.co.jp

一応レコメンドシステムを担当している人間ではあるので、今回は5章は軽く目を通して、他の章をメインに読んだ。
全体的に、学術書のような堅苦しい内容というよりは、TechBlogを読んでいるような感じで読みすすめることができるので、(好き嫌いあるかもしれないが)読みやすいと思う。

個人的に良いなと思った章は3章で、推薦システムの利用シーンのケースとそれに対応するアプローチが網羅的に書かれている。
こういう内容をきれいにまとめてくれているものはなかなか無いので、自分でレコメンドシステムを作らないで他社製品を使うような人であってもかなり参考になると思う。
著者がアルゴリズム部分だけでなく推薦システムの広域な領域に知見があるからこそ書ける内容という感じ。

他にも6章、7章はレコメンドをサービスに届けるために必要なシステム周りの話と評価方法についてまとまっていて、このあたりに知見が無い人にとってはとても参考になりそう。
また、各章においてより詳しく知りたい場合の書籍がレコメンドされており、そういった気遣いもありがたい。

個人的には6章の実システムへの組み込みはもっと深堀りしてもいいかなとか思う部分もあったりするけど、推薦システムについて知りたけれはまずこの本を読んでみて、興味があるトピックについて更に別の書籍や文献で深堀りしていくというのが良さそうだった。

献本ありがとうございました!