読んだ:Modeling Opinion Dynamics in Social Networks(WSDM2014)

Modeling Opinion Dynamics in Social Networks

かいつまんで読んだので適当。

ネットワーク上のユーザが周辺のユーザを参考にして意見を繰り返しかえたり、世論の構造を理解することはバイラルマーケティングや情報拡散において重要。
本稿のモデルは周辺ユーザを参考にして意見を変化させるモデルをベーストしたものでBIASEDVOTERMODELと呼ぶ。
このモデルを利用することで、意見の同意や対立が自然に表現できることを示す。

社会心理学者のAscy氏らが提唱している、”white is black”
という現象に基づいている。これは、もし周りの人間が同じことを
言うと、自分の意見が真逆でも高確率で揺らぐというもの。
※Ascyらが行った実験
被験者がある部屋におかれる。その際数人の引き立て役を用意する。
彼らは真であることが自明である質問に対して必ず偽の回答をする。
その結果
1)協調の限界はグループの大きさに依存する
2)一人でも引き立て役が味方になると協調性が顕著に下がる
という知見を得ている。
※Deutsch,Geraedの実験
協調を2つのタイプに分類した
1)normative...被験者が社会的受容を得るかのように協調する
2)informational...被験者が他の人に自分のevidenceを答えた後、最終的に周りの決定に合わせる

・contribution
上記の現象をオンライン上のユーザで実験することで、その結果を取り込んだモデルを提案する。隣人のサイズだけでなく意見の分布、被験者とその意見との距離感も考慮する。意見の質/量を取り入れる。

●オンラインユーザを利用した調査を行った結果、ユーザが最初の意見をもってから最後の意見を決めるまでの振る舞いは、votermodel的に任意の隣人の意見を採用するパターンと、DEGROOT的に周辺のユーザの意見の平均を採用するパターンと最初の自分の意見から曲げないStubbornパターンが存在することがわかった。
さらに、votermodelの部分に関しては、ユーザの最初の意見に近い人の意見を採用しやすいというバイアスがかかっていることがわかった。

これらを考慮したモデルBIASEDVOTERMODELを提案する。
これはDEGROOTモデルとVOTERMODELを組み合わせたもので、そこにStubbornパラメータ\alpha_iとバイアスパラメータp_iを用意する。

モデルのダイナミクスについて確認するため、ランダムグラフとPower-lawグラフを用いたシミュレーションにより、モデル(特に今回導入された二つのパラメータの効果)について述べている。

個人的にはあまり刺さらなかった。Opinion Dynamicsを考えるときに何を持って人の意見と言っていいのか知りたかったので、そこらへんに言及しているかなぁと期待して読んだ感じだったが、そういう論文ではなかった。正解データがないのが大変な感じがする。